打撃と投げ、そしてデモンクレイドル
小P | 中P | 大P | 小K | 中K | 大K | PP | KK |
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初代ヴァンパイアから主役格のキャラとしてスタンダードキャラと見られがちですが、実はセイヴァーの標準からは外れた存在です。
中段も持っておらず、激しいラッシュで畳み掛けるというよりは打撃と投げの二択でダメージを取って、そこからの起き攻めを繰り返すのが基本スタイルです。
そしてデミトリと言えばデモンクレイドル。昇竜が弱いこのゲームにおいて破格の性能を誇ります。全身無敵でその後の判定も強く当たれば転び、何より着地のスキが1フレームしかない。
セイヴァー名物の高速中段もこの技にとっては関係ありません。あるゆる場面で「相手が突っ込んでくるか来ないか」の二択になるので、デミトリ戦は独特の様相を呈します。
デミトリはリーチが長いので、他のキャラよりも遠い距離からでもチェーンコンボが最後まで届きます。
それぞれの技の威力が特別に高いわけではありませんが、多くの場面で長めのチェーンをつなげられるため高いダメージを取りやすくなります。
起き攻めのループ性の高さと相まって、チェーンコンボだけでも十分な相手の体力を奪えることは意識しておきましょう。
細かい話をすると、攻撃力の高い屈大Pを組み込めると更に大きなダメージが見込めます。デミトリは大足払いが立ちガード可能ですが、その代わりこの屈大Pが下段になっています。
中足払い→屈大P→大足払いはダメージが高く最初の二発が下段で、発生の遅さを活かしたズラしにもなるので、バリエーションとして覚えておくといいでしょう。
セイヴァーにはあまり有効なめくりがありませんが、デミトリのJ中Kは高いめくり性能を有しており、数少ない有効な飛び込みからのめくり技です。
めくりにならなくても、裏落ちになる飛び込みはAGされた時に逆に相手に接近するので相手にまとわりつく選択として有効です。
そこからのチェーンが減ることもあり、基本的な行動でありながら相手に与えるプレッシャーは高いと言えます。
強力な二択を嫌ってジャンプで逃げる相手を画面端に追い詰めてからがデミトリの美味しいところです。
空中ガードを固める相手をJ中K→大Pの空中チェーンをガードさせて自分は先に着地、まだ空中にいる相手に空中ガード不能の立小Pを当てて地上に引きずり下ろします。
着地した相手は自由に動けないので、ここで打撃と投げの二択を仕掛けます。相手が固まると思ったらゲージを放出してプレジャーもいいでしょう。
画面端ではESデモンクレイドルも有効な選択肢になります。相手が何かボタンを押していれば体力だけでなく、精神的にも大きなダメージになります。ここで相手の心を折って畳み掛けるのがデミトリの真骨頂です。
相手を投げる時はレバーを前に入れて大Pです。相手がジャンプで逃げていた場合は空中の相手にアッパーがヒットします。
デミトリはこの自動二択が強いキャラなので、まずはこいつを使えるようになりましょう。
詳細は 自動二択 のページを参照してください。
地上でヒットしていた場合はチェーンで大足払いにつなげられれば更にチャンスが広がります。
デミトリは豊富な必殺投げを持っています。
上から順にゲージ消費なし(ES版は存在しません)、ゲージ1本消費、2本消費です。
プレジャーのダメージはブリスに毛が生えた程度(というかブリスが減る)ですが、発生の速さに大きな差があります。このためにデミトリはたくさんゲージを溜める必要があります。
通常投げのように自動二択にならないのでジャンプで回避されますが、ダッシュから出せるので遠くからの奇襲やダッシュデモンクレイドルとの二択として使えます。
相手が後ろに下がれない画面端が特に狙いどころですが、空中カオスフレアが画面上に出ていると相手は後ろ歩きができなくなる(俗に言う影縫い)ので有効な仕掛けどころになります。
他にも通常投げに受け身を取られたところに重ねたり、相手の前起きに重ねると見切られにくいので狙っていきましょう。
プレジャーはダークネスイリュージョンのような順押しコマンドですが、レバー前を2回入れる(小P中P→→中Kx2)ことでダッシュからすぐ出すことができます。小足からダッシュプレジャーを出すと移動投げのようなことができて強いのですが、入力が難しいので無理に狙わなくてもいいです。
中下段の揺さぶりが激しいセイヴァーですが、デミトリにとっては中段かどうかは重要ではなく「相手が突っ込んでくるか来ないか」です。
相手が突っ込んできたらデモンクレイドルで落とせるので、ガード方向をことさら気にする必要はありません。
デモンを出した時に相手が来ていなかったら空振りに終わりますが、そのデモンを見て突っ込んできたら次のデモンを打てば当たります。
着地の隙は1フレームしかないので相手は極めて難しい攻めを強いられるか、空中で一発当てるぐらいしかやることがありません。
リスクよりもリターンが上回っている間はデモンクレイドルを打ち続けていればいい。何ならデモンクレイドルだけで勝ってしまえばいいのです。
まずは相手がどれぐらいデモンクレイドルに耐性があるかの見極めて、それに合わせてデモン依存度を決めていきましょう。
デモンクレイドルはGC技にもなっていて、ES版はガード不能になります。詳細は ガード不能ESGC を参照してください。
通常、コマンド技は相手のいる方を基準として入力方向が決まります。相手が右にいる場合のデモンクレイドルは→↓↘+Pですね。
これを逆手に取って、
こうして起き上がりに無敵技を出しづらくさせるテクニックがあります。
しかし、これはデミトリには通用しません。デミトリはダウン中に相手との位置が入れ替わっても、コマンド入力は「転んだ時にキャラが向いていた方向」で固定されます。
例えばこう。デミトリが転んだ後にガロンが右に行くけど、左向き入力でデモンが出る。クイックムーブで裏に回ってもそのまま出るので表裏択が通りにくい。 pic.twitter.com/yM7lGDBf68
— nekoya (@nekoya) January 16, 2025
この動画ではガロンが大足払いの後で右に移動していますが、デミトリは左向きのままでデモンクレイドルを入力しています。
起き上がった瞬間ではなく、振り向くまで元の向きを維持するのでリバーサルでなくても出ます。
セイヴァーのリバーサルは先行入力が効かないため非常に出すのが難しいのですが、そこも気にしなくていいので気楽に入力できます。もちろん完全に重なっていた場合は喰らってしまいますが、左右を揺さぶりつつ重ねを完璧にするのはかなり難しい操作です。
ガード方向は普通に相手の向きが基準になるので、表裏択をかけてくる相手に対しては起き上がりデモンを打つ方がむしろ簡単かもしれません。
逆に、デミトリを相手にする場合はこの特性を理解した上で起き攻めを組み立てる必要があります。知らないと「この人、表裏択に対してめっちゃデモン出るすごい」と飲まれそうになりますが、相手はただ正面に向けてデモンを入力しているだけです。
同じ特性を持っているのは他にはフェリシアだけです。あちらは用途が限定的なので、主にはデミトリの特性として捉えても問題ないでしょう。
よく「バッドスピン」と間違えられますが、正しくは「バット」です。コウモリです。
ヒット・ガードを問わず相手に当たると3ヒットした後に跳ね返りますが、低い位置で当てるとそのまま着地します。相手の膝辺りを狙うイメージです。
どちらかと言うと、相手に当てるよりも転ばせた後の接近手段として役に立ちます。デミトリのダッシュは移動手段としては使い勝手が悪いのですが、そこをカバーしてくれるのがこの技です。
チェーンで転ばせてから中で出すとちょうど相手の位置ぐらいに、小で出すと前置きのあたりに着地します。少し早めに出して、相手が起き上がる時に着地して地上で起き攻めを仕掛けるのが狙いです。
相手からすると「ここで手を出すとバットスピンが当たるかもしれない」とガードしがちになるので、そこでの打撃とプレジャーの二択は非常に強力です。
それ以外にも画面端からの脱出やゲージ溜めなど、色々と使える技なので利用頻度は高めです。
また、この技も例によって着地の隙は1フレームしかないので、着地に反撃しようとする相手をデモンで狩れることも少なくありません。跳ね返ってしまっても落ち着いて次のチャンスに備えましょう。
セイヴァーのゲームスピードと展開の速さで、着地の1フレームを確実に攻撃するのは現実的ではありません。
失敗してガードされるだけならともかく、着地後の次のデモンクレイドルに狩られるとデミトリはただただ気持ちよくなります。生でもGCでも関係ありません。
まずは単発でいいので空中にいる間に技を当てて、デモンクレイドルを打つことに対してリスクを負わせましょう。ノーリスクで打たれている間はデミトリには勝てません。
ESやEX技でダメージの大きい単発技があればそれを使う、ない場合は大足払いで転ばせるのが基本です。
対デミトリで意識する基本の間合いはみっつです。
大足払いは他のキャラと違って下段ではありませんが、リーチが長く判定が高い位置に出るのでジャンプやダッシュ防止になります。
この距離で相手を引っ掛けて起き攻めに持ち込むのがセオリーなので、まずはこれを外すことを意識します。ダッシュは届きますが見てからバックジャンプで無効化できます。
それより内側で主導権を取ったら、デモンや投げが届かない距離から仕掛けます。密着してしまうと逆択を仕掛けられるので、付き合わされないようにしましょう。
距離を取る場合は中途半端なところにいるとダッシュから必殺投げが飛んでくるので、思い切って画面端〜端ぐらいまで一気に離れましょう。空中カオスフレアで影縫いされると歩いて下がれなくなるので、さっさとバックジャンプするかバックダッシュで逃げます。
デミトリには中段もなければ歩きが速いわけでもなく、投げ間合いも狭くなっています。ダッシュも画面端を除けば近い距離での攻めの継続には使いづらいです。
小技をガードされて投げ間合いから外れた場合、実はデミトリ側にはあまり有効なダメージソースがありません。ダッシュからの必殺投げは使えますが、距離の調整やコマンド入力など仕掛ける側にも難しさがあります。
ここで無理にジャンプやAGを入れると無用な地上チェーンを喰らってしまいます。それこそが相手の狙いなので、無理せず大人しくガードを固めましょう。大足までガードしたらデミトリのターンは終了です。
密着での投げと打撃、あるいはダッシュからのデモンクレイドルとプレジャー等のガード不能技は強力な二択です。
これを仕掛けられた場合にすべてに対応してノーダメージで切り抜けるのはかなり無理な相談です。どちらかを予想して対応する行動をとり、読みが外れたら仕方ないと割り切りましょう。
基本はガードを固めて打撃を喰らわないこと。投げやガード不能系の技はそれ単体で死ぬことはないので切り捨てです。ただし相手がこちらの意識を見透かしていた場合は「ほな死ぬまで投げたろ」になるので、ここは駆け引きです。
とにかく焦って余計なダメージをもらうのが最悪です。体力を使って相手のゲージを支払わせたぐらいに考えて切り替えていきましょう。二択を仕掛けられる状況を招いた報いです。
ここで頑張るよりも、そもそも二択を仕掛けられる回数を減らすように立ち回ることを心がけましょう。難しいんだけどさ。
昔のゲームなので昇竜コマンドはちゃんと入力しないと出ません。GCもあるので比較的出やすい方ではありますが、やはり簡単なコマンドではありません。
他の色々なことに意識を持っていかれたり、気持ちに余裕がない場合にはコマンドミスも起きやすくなります。動画などを見ているとデモンクレイドルになるはずだった屈小Pやカオスフレアが紛れていることに気付けるはずです。
相手をよく観察し、時には「ここでデモンクレイドルは出ない」と確信を持って攻めることも大切です。